自傷や他害、物の破壊などの行動が頻繁に起こる「強度行動障がい」の状態にある方への支援については、その背景にある個々の障がい特性に応じた支援や環境調整が必要となりますが、状態が悪化した方に対する支援スキルを有する事業所や人材の確保が課題となっています。
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定において、状態が悪化した強度行動障がいを有する方に対し、高度な専門性を有する人材(広域的支援人材)が、事業所等を集中的に訪問し、適切なアセスメントと有効な支援方法の検討や環境調整を進めることを評価する「集中的支援加算」が創設されたところです。
こうした中、当事者とその家族の暮らしを支える体制整備を進めるため、専門性の高い人材(広域的支援人材)を有する、一般社団法人 長野県知的障がい福祉協会の御協力の下、適切なアセスメントに基づく有効な支援方法の整理、環境調整を集中的に行う取組(集中的支援)を試行します。
1 事業内容
事業所等において対象サービスを利用する強度行動障がいを有する児者(※1)であって、状態が悪化したことにより事業所等において現状の障害福祉サービス等の利用や日常生活を維持することが難しくなったと支給決定自治体が認めた児者を対象に、事業所等(※2)からの申請に基づき、広域的支援人材を派遣し、個々の障がい特性と生活環境をアセスメントし、個々の障がい特性に応じた支援や環境調整等を対象者が利用する事業者や御家族等と連携して集中的に行うことにより、対象者の状態の軽減を図るものです。
(※1)障がい児にあっては、強度行動障害判定表20 点以上である児、障がい者にあっては、行動関連項目10 点以上である者をいう。
(※2)県、長野市又は松本市が指定する指定障害福祉サービス事業所等であり、対象サービスは療養介護、生活介護、短期入所、施設入所支援、共同生活援助、自立訓練(機能訓練・生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、児童発達支援、放課後等デイサービス、福祉型障害児入所施設、医療型障害児入所施設とする。
2 試行期間
令和7年7月1日から令和8年度末まで
3 利用に当たっての留意事項
(1) 広域的支援人材、実施事業所等、支給決定自治体等の関係機関及び当該利用者の家族が一体となって緊密に連携して対応すること。
(2) 主たる支援実践者は、実施事業所等の従業者であること。
(3) 強度行動障害支援者養成研修(基礎・実践)において推奨する標準的支援を行うこと。
(4) 支援を受けるチームに係わらない実施事業所等の管理者及び従業者、実施事業所の設置法人責任者が、コンサルテーション(助言援助等)を受けることにつき理解し、協力すること。
(5) 実施事業所等の管理者は、従業者の資質の向上のために広域的支援人材等による研修機会を設けるとともに、支援提供体制の整備、支援状況の検証を行うこと。
4 申請方法
集中的支援実施申請書(様式2)に必要な事項を記載し、支給決定自治体の担当課に提出してください。
※ 強度行動障がいを有する児者の個人情報等(アセスメントシートや事業所内動画等)を共有する必要がある場合は、実施事業所等が強度行動障がいを有する児者及び保護者等の承諾を得てください。
・【参考】こども家庭庁・厚生労働省通知(令和6年3月19日付け)(PDF)
5 費用の負担
・事業所等は、広域的支援人材に対して、本加算を踏まえた適切な額の派遣に係る費用(報酬・交通費)について、別途定めるところにより負担するものとします。