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会長あいさつ

一般社団法人長野県知的障がい福祉協会

会長 小松 敏幸

 振り返れば、一般社団法人長野県知的障がい福祉協会は、長野県精神薄弱者愛護協会として、昭和48年4月、長野県下に所在する精神薄弱児者施設16か所により、精神薄弱児者の福祉増進と施設職員の資質向上を図り、もって地域福祉に貢献することを目的として設立されました。設立趣意書には、「われわれ精神薄弱施設関係者は、将来の精神薄弱施設のあるべき姿と果すべき役割りを明確に認識し、従来ややもすればおち入りがちであった収容隔離的保護の色彩を徹底して払拭し、高度の治療教育機関としての施設づくりを、社会一般との緊密な連繋のもとに実践してゆく。」と固い決意が述べられています。その後、施設を取り巻く環境も大きく変わり、障がい者の重度・重複化、高齢化、長期滞留化等の課題に対応しつつ、「個人が尊厳を持ってその人らしい自立した生活が送れるよう、個人の選択を尊重した制度の確立、質の高い福祉サービスの拡充、個人の自立した生活を総合的に支援するための地域福祉の充実を図る」ために誠実な歩みを進めてきました。

 私が長野県精神薄弱者愛護協会という組織に出会ったのは、今から40年以上前、精神薄弱者入所更生援護施設(当時の法律に基づく名称)「小諸学舎」の指導員として関わり始めた頃に遡ります。当時の入所施設は、精神薄弱者福祉法にて「18歳以上の精神薄弱者を入所させて、これを保護するとともに、その更生に必要な指導訓練を行なう」とされていました。その当時、昭和50年代のノーマライゼーションの理念のもと「共に生きる社会づくり」を目指して、長野県から「施設処遇の手引き」という指導手引書も出されていました。施設で働く職員は「人が人を指導するという尊さとおこがましさ」を意識しながら仕事をしていました。そして今振り返ると、「どうしたら人は幸福になれるのか」その答えを見つけるために、私たちは、知的に障がいのある方々との交わりを求めてきたように思えます。

 協会開設以来、連綿として“知的に障がいのある方のあるべき姿と職員の果たすべき役割”について考えつづけてきた歴史があります。「形」(見た目)や「型」(習慣となっているきまりきった手順)をそのまま模倣すれば、新しい分野の領域に足を踏み入れる「開拓」や物事をより前に推し進める「促進」が止まります。伝統の中にある「思い」を大切にしつつ、新風を吹き込み、修正して磨きをかける、その繰り返しをすることで先人の思いが伝承され、新たな歩みを踏み出すことができることでしょう。

 これからも、多くの支援者の皆様が大切にされてきた、暖かいまなざしと真摯な姿勢に学び、知的に障がいのある方々と共に支え合いながら実り豊かな文化を築いていかれることを願っています。今後とも、力強いご支援・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

本会の目的

 この法人は、知的障がいのある人の人格を尊重しつつ、会員相互の連携の基に、社会福祉の向上のための知識の普及及び啓発、障がいのある人に対する支援等を行うことにより、知的障がい福祉の増進に寄与することを目的としています。

本会の事業

 (1) 知的障がいのある人の福祉の向上のための調査研究事業

 (2) 知的障がいのある人の福祉の向上のための知識の普及及び啓発に関する事業

 (3) 地域社会における知的障がいのある人の支援体制の整備に関する事業

 (4) 知的障がいのある人の施設職員及び保護者の資質の向上に関する事業

 (5) 知的障がいのある人の施設に対する支援事業

 (6) 関係団体等との交流及び連絡調整に関する事業

 (7) 前号までに掲げるもののほか、前条の目的を達成するため必要と認める事業